no.6 他の方法との違い

この世には内気、人見知り、対人恐怖症についての文章が
星の数ほど(たくさん)存在します。
上記のキーワードで検索サイトを調べれば、大量の文章が
ヒットしますよね。

僕はたくさんそのような本、ウェブサイトを読みました。
その結果、大きく分けて3種類あることが分かりました。

一つ目は「プラス思考系」。
「内気な人には、社交的な人にはない長所がある」
「口下手な方が人に好かれる」
など、そんな「内気な性格の良いところ」を教えてくれます。
そのままでいいんだよ、悩む必要なんてないよと
励ましてくれます。

代表著作「人見知り」は案外うまくいく

二つ目は「テクニック系」。
「ありのままの自分でいよう」「笑顔が大事だ」
「はっきりとした声を出そう」など
話すときのコツやヒントについて書かれています。

代表著作「人見知り」な人ほど話し上手になれる

三つ目は「学問・医療系」。
「対人恐怖症とはどんな病気か」とか「どんな種類があるのか」
「こんな薬を処方される可能性があります」ということが
書かれていることが多いです。

代表著作「対人恐怖 社会不安障害
さかながこわいクジラ(こころの病気がわかる絵本―社交不安障害)

では、これらの方法と僕の言う「恐怖の克服」というものは
何が違うのでしょうか。

プラス思考の落とし穴
この「プラス思考系」の考え方。
決して間違いではありません。
僕も初めてその本を読んだとき、なるほどと思いました。
そうだよな、内気にもいいことがある。
そう知って気分が明るくなった記憶があります。
そしてそれからは内気な性格の良いところを見て
毎日を過ごすようになりました。
ですが心の中には何か満たされないものが残ります。
自分自身が小さくなったような。
重要なことに対して目をそらしているような。
そんな「あれっ?」という気持ちが心の片隅にありました。

今ならその正体が分かります。
今、自分が感じている苦しみから目を背けていたのです。

こんなたとえ話をしてみましょうか。
あなたは今、喉が渇いています。
友人に「水をくれ」とお願いします。
しかし彼はこう返答しました。
「水を飲まなくてもいいじゃない。
ほら空を見てごらん。透き通った真っ青だよ。きれいだね」
こう言われたならあなたはどう思いますか?
「そんなことどうでもいいから早く水をくれ!」という
気持ちになるはずです。

喉が渇いているあなたが幸せになる唯一の道は
「水を飲む」ことです。
決して「周りの景色を楽しむことで、喉の渇きをごまかす」
ことではありません。

これと同じです。
内気な性格のため、他人とまともにコミュニケーションを
取れないあなたの進むべき道は
「人と普通に話ができる人間を目指す」こと。
決して「人見知りにも、いいところがあるんだよ」という甘い
言葉でこの寂しさを、苦痛をごまかすことでは
ないはずです。

だから、この内気な性格を変えましょう。治しましょう。

実はこの「プラス思考系」の文章というのは
「水がない」人に向けて書かれています。
「内気な性格を変えたい。でも怖くて最初の一歩を踏み出せない」
そう悩んでいる人のために書かれています。
そんな人に「内気なままでもいいんだよ、楽しいことは
ほかにもたくさんあるよ」と慰めています。

ですが僕はそんな人に、こうアドバイスしましたよね。
「勇気を出して話しかける必要なんて、ないんですよ。
原因を知り勇気の出し方を学べば、少しずつ今の自分を
変えていくことができますよ」と。

あなたはどうしますか?
プラス思考系の「そのままでいいんだよ」の言葉に従い
今のコミュニケーション能力の不足を放っておきますか?
それとも僕の「恐怖を克服しよう」という言葉に従い
「少しずつ今の自分を変えていく」という道に
進みますか?

テクニック系との違い
テクニック系との違いは、一言で言い表すことが
できます。それは
「それを使ってもまず内気は克服できないだろう」
ということです。

僕がその「テクニック系」の文章を読んでいて感じるのは
内容がバラバラだな、ということ。
「Aしよう」「Bしてみよう」のような考え方が
なんの脈略もなく最後まで続いているだけ。

「A」「B」というような一つ一つのアドバイス自体は
正しいのですが、それを実行してみても僕の場合
自分の中心にあるものは何も変わりませんでした。
「気が楽になった」「少し話が続くようになった」と
感じるときはありましたが、「変わった!」と実感できる
だけの大きな変化は決して現れなかったのです。

ちなみに「軽い人見知り」の人間でしたらその中に書かれている
内容をヒントにして、どんどん自分を変えていける可能性は
あります。
ですが僕のような「対人恐怖症に近い、重度の人見知り」の人間。
あるいは真剣に、前向きに自分を変えたいと願っている人間には
非常に小さな効果しか出ないでしょう。
なぜならそれは小手先のテクニックでしかないから。

それに対して僕の勧めるやり方は違います。
小さなテクニックもいくつか述べていますが
中心となっているものはたった一つです。
僕自身が実行して効果を感じられたものをこのサイトでは
紹介しています。

学問・医療系との違い
これを一言で言い表すとしたら、こうでしょうね。
「自分ひとりで実践するための内容」

学問・医療系に書かれている克服法というのは、病院で
医者と患者が向かい合って行うことを前提として
作られています。それに対して僕のやり方は「独学」。
自分ひとりで。
自分の部屋の中でスタートできます。

あなたが勇気を出して医者に行くことができる人間ならば
行ってみることを勧めます。
僕が調べた中では「社交不安障害」という言葉が
最も昔の僕に近いようです。
興味のある人は、検索して調べてみるといいでしょう。
病院の分類は「精神科」あるいは「心療内科」が適切なはずです。

でもあなたが「怖くて医者に行くことすらできない」
「だれにも相談できない」
人間ならば、僕の理論が役に立つはずです。
昔の僕もそうでしたから。

2019年 追記
今の僕が使っている理論は、医学の知識も部分的に取り入れています。
対人恐怖症とか社交不安障害という病気の克服法を参考にして
いる箇所はあります。

お医者さんではない一個人が「いかに自分の恐怖心と向き合ったか」
を参考にしていただければ嬉しいです。

また僕は分かりやすい言葉で語るようにしています。
難しい漢字や複雑な文体を用いた「学術書」みたいにならない
ように気をつけています。

念のためもう一つ。
「根性と勇気でガンガン他人に話しかければ、内気は改善する。
ただ場数を踏めばいいのです!」という内容の
「勇気を出して話しかけろ系」ではありません。
再確認で掲載しておきました。

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