EX-1 ドリブル・フェイントの上達法

サッカーにおけるドリブル・フェイントの練習。
一般的に行われているものには、大きな二つの誤解があります。

一つ目は、ただフェイントだけを何回も繰り返し練習すること。
二つ目は、恐怖、緊張、プレッシャーという心の問題を考えないこと。

・状況をイメージしよう
まずは一つ目。「ただフェイントだけを繰り返し練習すること」。
「フェイントの練習」という言葉を聞いて、あなたはまず
どんなものを思い浮かべるでしょう?
考えてみてください。

僕の場合はこうです。
一人で何回も何回もフェイントを繰り返すこと。
コーンを相手に見立ててドリブルしていき、フェイントを仕掛けて
抜き去ること。
それから、友人と一対一で向かい合ってフェイントをかけて
ドリブルで抜き去ろうとすること。

どうですか?みんなも「フェイントの練習」という言葉で
思い浮かべるのはこんなものではないですか?

でもこの練習では、上達にものすごく時間がかかります。
だってさ。
相手がしっかりと身構えていたら、フェイントって効かないでしょ?

キックフェイントが有効なのは、相手が「あ、やばい!」と感じて
飛び込んできたとき。
シザースフェイントなどの「またぐ」フェイントが一番効くのは、
相手が油断しているとき。

相手がしっかりと身構えているときにフェイントをかける場面って
実戦ではかなり少ない。
それよりも、相手に隙があるときの方が使うことが多いよね。

だから僕がお勧めする練習方法は「状況をイメージしながら
フェイントを練習する」ことだ。

相手を抜き去った。
センタリングのチャンス。
相手が遅れてスライディングで食らいつく。
ここで「キックフェイント!」。
らくらくと相手をかわし、落ち着いて味方にパス。

スピードに乗ったドリブルで相手に向かっていく。
DFとの間合いが近づく。相手は足を止めている。足を出してカットするつもりだ。
少し遠めの間合いで「シザースフェイント!」。
相手が足を横に出したその瞬間に、その反対側を抜けていく。
必死でDFはそちらへも足を出すが、もう遅い。

あなたは中央でボールを持っている。
右サイドにはフリーの味方がいる。
自分の目の前のDFとは少し間合いが離れている。
ドリブルのチャンスだ。
右サイドの味方の方に体を向け、パスを出す雰囲気を見せる。
そして急に、左足アウトサイド(足の甲の外側の部分)でボールを
コツンと大きめに押し出しスピードアップ。
相手の左側を抜けていく。
右サイドの選手に気を取られていた相手は、思わず足を出してしまい、
抜くことができる。

こうした状況をイメージしながら一人で練習する。
これが一番効果的です。

イメージなしで単純にフェイントを繰り返すのは初心者が
「技の型を覚える(体に染みつかせる)」ときや
「90分の試合中に、フェイントを複数回行えるだけの
筋力をつける」ときのみ、効果的でしょう。

*イメージをするって何?という方は僕の補助トレーニング
丹田呼吸法」と「残像トレーニング」を実行してください。

・心を強くしよう
二つ目のドリブル、フェイントのコツ。
「恐怖、緊張、プレッシャー」を克服することだ。

試合になると、練習ほどの活躍ができない。
なぜなら、緊張してしまうから。
特にサッカーというスポーツではドリブル、フェイントに
それが大きく影響します。

相手の方へドリブルして、いざフェイント!というときに
「失敗したらどうしよう!」という気持ちが浮かんでくる。
それによってドリブルをためらってしまったり、
一瞬タイミングがずれてしまうのです。
結果的に、安全な「パス」を選んでしまう。

僕はその現象で、ものすごく苦しみました。

普通の人は(フェイントを)何百回何千回と練習することで、克服
しようとする。
でも僕の場合、それでも試合になると何もできなかった。

僕の出した答えは「プレッシャーそのものを消すこと」。
内気な性格を治すためにしてきた努力と組み合わせて、
その手法を作り上げたんだ。

そうしたら、消えた。
プレッシャーが。
DFを目の前にしたとき、「フェイントのアイデア」だけが
リラックスした状態で浮かんでくる。
体が勝手に動くようにフェイントを仕掛けられる。
ドリブラーなら分かると思うけど、これは夢のような世界だ。

具体的な手法については
恐怖克服法「Source of Soccer」を始めとする他の僕の
文章を読んでください。

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