no.4 判断能力を高める6つの方法

判断を高めるための努力。
僕の高校時代には「恐怖、緊張の除去」という答えにたどり着いて
終わりました。
でもサッカーから遠ざかったあと、ほかの分野の努力を取り入れるなどして
さらに改良を進めてきました。

その結果、判断力を高めるための方法は6つの分野にうまく
まとめることができました。

その1 恐怖のコントロール
シュートを外したらどうしよう?
そんな恐れからコントロールがずれ、シュートがゴールの上を超える。
DFがきた、やばい!
慌ててパスを出し、パスカットされて決定的なピンチを招く。
このように「恐怖」というのは、判断の質を大きく下げますよね。

ところがほとんどの人は、この「恐怖」に目を背けています。
シュートを何千本も打つことにより、「恐怖を感じながらでも正確に
シュートを決める技術」を高めようとします。

でもさ、ここで「恐怖を消す」方向へ努力したらどうなると
思いますか?
夢のような世界ですよ。
普通の自分の状態を保ちながら「勝敗を決めるシュート」を
打つことができるのです。

そんなの無理だ、と思いますか?
でも僕にはその方法の提示が可能です。僕がかつて感じていた
「内気・人見知りの恐怖心」を改善させるための知識の
応用で、
「ゴール前の恐怖」を少しずつ消すことが可能です。

恐怖を克服する方法についての詳細は僕のウェブサイト
あなたも内気・人見知り・対人恐怖症を克服できる!」を参照ください。

その2 緊張のコントロール
本番の、公式試合。
緊張して、普段の実力の半分も出せない。
目の前にDFがいる。
その相手に対して「身構えてしまう」ため、視野が狭くなってしまう。
この緊張をなくすことができたらどんなにいいでしょう!

実は緊張とは「恐怖」と同じものなんです。
よーくその場面を観察してみてください。
「負けたらどうしよう」
「失敗するのが怖い」
という不安。それに対して「慎重に、ミスしないプレーをしよう」とする。
それが緊張ですね。
緊張とは、恐怖に対して身構えることで起こります。

原因が同じなのでしたら、もちろん緊張の克服も可能です。
大舞台でもリラックスして、最高のプレーをする。
どんなに厳しいプレッシャーを受けても、逆サイドをしっかり見れている。
そんな「ファンタジスタ」のレベルに、あなたは近づいていけます。
緊張を取り除けば。

軽い恐怖・緊張を取り除くためのオススメの本
気楽なさとり方

その3 「うっかりミス」のコントロール
走っている味方にパスを出す。
パスの強さの調節を「うっかりミス」し、ボールが外へ出てしまう。
FWにくさびのボールを入れる。
相手DFの前へ出る動きを「うっかり」見逃し、インターセプトされる。

サッカーはミスの多いスポーツですよね。
プロの試合でさえ、こうした「うっかりミス」はたくさんあります。

ここで実験です。
うっかりミスをしたときの「頭の状態」を観察してみてください。
頭の中が、乱れていませんか?
目を閉じ、うっかりミスパスを出したときをイメージしてください。
そのときの頭の感じ。
水が濁ったような、よどんだ感じがしませんか?

そして逆に、絶好調のプレーをイメージしましょう。
あの時の「頭の感じ」を思い出してみましょう。
透き通った、クリアな感じがしますよね。

そして驚くことに、この「頭の乱れ」は消すことができるのです。
(徐々に、ですが)
「恐怖のコントロール」と同じ方法で。

これを身につけると、こんな世界があなたを待っています。
集中力が落ちる時間帯になっても、「頭の透き通った感じ」が
維持できる。
普段ミスパスをしてしまうようなところでも、正確なパスが出せる。
リラックスして周りを見渡すだけで、次にどんなプレーをしたらいいか
自然に分かる。
急激にこうなるのは無理ですが、徐々にあなたもこのレベルに
近づけます。

その4 集中力の強化
試合開始直後。きちんとしたプレスをかけることができていた。
でも後半中ごろになると「集中力の低下」から、プレッシャーが
かけられなくなる。
体が疲れてくると、簡単なプレーさえもミスするようになる。
ボールに強く集中しなければならないので、視野が狭くなる。
試合が進むにつれて、集中力は低下していきますよね。

ではまた実験してください。
目を閉じ、頭の中の「心のおしゃべり」を止めてみましょう。
心の中で無念無想の状態を作り上げてみてください。
無理ですよね。「止めよう」と思うほど、雑念がわいてくる。

僕は練習の末、これができるようになりました。
30分間何もせずに座っていられるほどの「心のコントロール」
が可能になったのです。
ほぼ誰でも練習すれば、ここにたどり着けます。

後半終わり頃になっても、最初のような集中力を保てている。
「透き通った心」を、ずっと維持し続ける。
試合時間があっという間に過ぎていく。
絶好調のときと同じ力を。いつも出せるようになる。

集中力を高めるためのオススメの本
メディテーション―心と体の瞑想術
「瞑想」「座禅」をやってみてください。

その5 頭の回転を速める
どんなにがんばっても、遠くの味方が見えない。
ボールをコントロールし、近くの味方にパスを出すだけで精一杯。
厳しいプレッシャーを受ける。
パスを出すところがなくて、ボールを奪われてしまう。
これもサッカーではよくあることです。

これらの解決策は、単純です。
「頭の回転を速めること」。
情報処理能力。つまり一度にものを考えることのできる量を
増やせばいいのです。

また、この頭の回転は「真剣さ」と言い換えることもできます。
強い相手に立ち向かうとき。
頭が冴え、DFをミスすることなく完璧にこなす。
「頭の回転が速まっているとき」というのは、あんな感じです。

ディフェンダー数人に囲まれる。
でもあなたは動じない。
全ての相手の動きを計算に入れ、相手のタックルを次々とかわす。
そしてサポートに来た味方にパスを出す。

パスを出そうとして、足を振り上げた。
相手DFがインターセプトを狙い、前へ出る。
その動きをあなたは察知し、瞬時にプレーを変化させる。
足の振り下ろしのときに体をくにゃりと曲げ、相手の裏にボールを通す。
マークを外してフリーになれた味方は、ゴールを決めた。

敵の裏へ走り込む味方がいる。
味方の走るスピード。裏のスペースの大きさ。パスコースの有無。
GKの位置。カットしようとして足を出すDFの動き。
それらを全て、瞬間的に意識する。
そして使うキックの種類。ボールの強さ。高さ。パスコースを選択。
全てが完璧な、最高のスルーパスを通す。
芸術的なそのボールで、観客は感嘆の声を上げる。

「ボールキープ力」「プレーの柔軟性」「パスセンス」も
頭の回転の速さの成果です。

仕事力を10倍高める速読トレーニング
「速読」のトレーニングを参考にすることをお勧めします。

その6 イメージの鮮明さを高める
またまた実験です。
何も考えずに、誰かに向かってパスを出してください。
次に、鮮明なイメージを描いてからパスを出してみましょう。
ボールへの軸足の踏み込み。腕の動き。バックスイングの
足の振り上げ。足の振り下ろし。足首の固定。ボールインパクトの位置。
手の振り下ろし。フォロースルー(キック後の足の振り抜き)。
蹴ったボールの転がっていく軌跡…。
おそらく後者の方が、正確なボールが飛びますよね。
イメージの鮮明さは、プレーの正確さとなるんです。

そして、頭の中にイメージを描く力を高める利点は
もう一つあります。
それは、「ひらめき」。
発想力が豊かな人というのは、素晴らしいプレーを次々とひらめきます。
例えばあなたがDFのとき。
相手が、あなたのマークしている選手にパスを出そうとした。
その瞬間、あなたはひらめく!
「前へ出て、相手のパスをカットする」というイメージが。
そして体が半自動的に動き、その通りのプレーができる。

原理、分かりますか?
ひらめきで浮かんでくるのは「イメージ」なんです。
そのイメージが的確かつ明確であればあるほど「ひらめき」の
通りプレーできるのです。

こんな経験ありません?
相手DFラインの裏へ走り込む味方から、ボールを呼ぶ声がする。
あなたはそこへボールを出そうとする。
でも、プレーが成功する気がしない。
迷っているうちにタイミングを逃し、パスコースが消える。

イメージをする力の高い人の場合、ここでひらめくんです。
使うキックの種類。蹴るパスの強さ。高さ。パスコースのラインを。
そしてそのイメージの通り、パスを出すんです。
正確なイメージがあるからこそ、正確なパスが出せる。
だから、ひらめきの通りに行動できる。

イメージを描く力。
それを高めると、あなたの「格」が上がります。

原型の本
超右脳活用ノート
七田眞(しちだまこと)さんの本のトレーニングをベースに
この理論は組み立てました。

これら6つの能力は、僕自身の高校3年間の努力の結晶です。
正直不十分すぎると思うほどです。僕はこれら全ての力を結集しても、
レギュラーにはなれませんでした。あなたにこの僕の理論が
役に立つかどうかは分かりません。何かヒントになる箇所があれば
僕は嬉しいです。

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no.5
行くしかないだろう

上を目指せる可能性がどんどん狭まっているあなたに。

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