プロサッカー選手になりたいですか?

メールマガジンとして昔連載していた文章をここでは
掲載しています。

no.1 プロを目指すサッカー少年
no.2 前向きな練習日記を書く
no.3 光の使者になれ
no.4 走りをラクにする方法
no.5 生活習慣
no.6 間違いだらけの栄養理論
no.7 80%の力で走れ
no.8 Simple is not always best
no.9 プレースタイルの構築法
no.10 筋トレはするな
no.11 人とは違う道を進め

no.1 プロを目指すサッカー少年
「あなたがなりたいと思う職業の人にインタビューして
レポートを書きなさい」
僕が中学校二年生のときにこんな宿題が出た。
それはおそらく学校の文化祭で壁に張り出されるもの。
一般の人や、他の同級生たちも自由に目にすることができる。

そのとき僕は「プロサッカー選手へのインタビュー」というのを
でっち上げて先生に出した。
本当に「テレビに出てくる、スタジアムで試合する選手」へ
インタビューしに行く勇気が無かったので
子供向けの本に載っていた易しいインタビューを真似して
ほぼ全て自分で作った。

ずいぶん当時は悩んだが、自分に嘘はつきたくなかった。
「プロのサッカー選手になりたい」と素直に発表したかった。
たとえそれで友達から笑われることになっても。

そして高校は、とあるサッカー名門校へと進学した。
部員数約150名。
(高校1年生50名、高校2年生50名、高校3年生50名在籍)
僕が中学三年生のときにその高校は、東京都の高校選手権の
準決勝まで駒を進めていた。
当時東京都のサッカーは2校が全国大会へ出場可能で、大まかに
言うならば「東京で8位以内」に入る強さの強豪校だ。

ここまではごく普通の「プロを目指すサッカー少年」である。
でも僕には、ほかの選手とは決定的に違うことがあった。

それは、サッカーが下手だったこと。
あなたの学校、サッカー部にも一人くらいいるでしょ?
何をやらせてもダメな「一番下手な、運動神経のない子供」が。
あれが僕の立ち位置だった。

だからそのインタビューのときも、恥で辛い気持ちになった。
「こいつ何無謀な目標持ってるの?出来るはずがないじゃないか」
そう周囲から言われている気持ちになった。

当時、担任の先生でもあったサッカー部の顧問の先生からは
こんなコメントをされた。
「お前の(サッカーの)実力では高校サッカーは無理だ」

インタビュー記事を出したときも笑顔で受理されたし、
(嘲笑、あざけ笑いだと当時の僕は解釈した)
彼は僕がサッカーを理由にその学校を選んだことに全く気付かなかった。
(そこが進学校だったため)

それでも僕は夢を捨てなかった。
「絶対にプロになってやる!」
そう決意し、努力を怠らなかった。

・考えて努力する
僕には「自分が下手だ」という自覚があった。
レギュラーになれない(本番の公式試合に出場できなかった)
中学時代を過ごしていたため、高校でも
ただ普通に努力しても無理だ。
そう感じていた。

そこで僕はある対策を採った。
「考えながら努力する」ことだ。

「速く走るためにはどうしたらいい?」
「Aチーム(トップチーム、一軍)に上がるためには何が必要だろうか?」
そんなことをずっと考え、工夫し続けた。

本もたくさん読んだ。
サッカーの本。
メンタルトレーニング。
筋力トレーニング。
心理学。
勉強法(勉強時間を短縮するため、サッカーに時間を割くため)。
速読法(同じく)。
右脳開発。
成功哲学。
自己啓発。
分野は幅広く学んだつもりだ。

考えながらの努力の量なら、誰にも負けない。
この文章では、そんな僕の「サッカー上達のコツやヒント」を
述べていきます。

no.2 前向きな練習日記を書く
・目標と失敗のいたちごっこ
「練習日記を作って、毎日の練習を記録しなさい」
チームのコーチや先生にそう言われたことない?

「このプレーがうまくできなかった」
「次はこういうことをしたい」
そんなことを書けと言われたりしなかった?

僕はほぼ毎日それを書いた。
だからこそ言えることがある。
「正しく練習日記を書け」

練習日記の書き方を間違えると、自信をなくす。
失敗と目標のいたちごっこになる。

・練習日記の欠点
僕が中学校一年生のときの、夏休みのサッカー部の合宿のとき。
顧問の先生から「毎日練習日記を書いて提出しろ」と言われた。
僕はそれをきっかけにして高校3年生まで約5年間、ほぼ毎日の
ように練習日記を書き続けてきた。

例えばこれは1999年6月5日、僕が中学二年生のときの内容だ。

(引用ここから)
今日は朝練でセンタリング。午後はセンタリングとミニゲーム
をやった。
 センタリングのとき、トラップが全然できなかった。
ロングパスはよかったが、左でのセンタリングは一本も
浮いたボールが蹴れなかった。
 ミニゲームは、新しい動き方を教えてもらった。
その動きは5、6回くらい成功した。あと、相手に
ワンサイドカットをしたら、スピードで振り切られた
時もあった。今、僕に足りないのは、基本と一対一の強さだ。
(引用ここまで)

練習日記を書くというのは確かに効果がある。
自分の課題がはっきりする。
教えられたことを読み返して確認できる。

でもそれと同時に、欠点もある。
2つここで指摘しよう。

一つ目は、失敗と目標のいたちごっこ。
例えばあなたが日記に「今日はパスが通らなかった。だから
明日は正確なパスを意識したい」と書いたとする。

次の日、その通りにできた。そして日記に書く。
「昨日よりは正確なパスを出せた」と。

しかしその3日後、今度は別の問題が生まれた。
「体力がない。試合中最後まで走れない」。
だから、その解決策をノートに書きながら考える。
そして、努力の末問題点が解決された。

するとまた、更に別の問題が気になって…。

この繰り返しになる。
一つのことができるようになっても、
次から次へと問題が出る。
「レギュラーポジションを獲得する」というあなたの
長期的目標に届かない、はるか低い所で
目の前の課題を一個ずつ潰して、うろうろ歩き回って
いるだけ。そんな感覚がしてくる。

だから僕はほとんどうまくなった気がしなかった。

二つ目の欠点は、自信をなくすこと。
人は落ち込んだとき、良かったことより悪かったことに目が行く。
だから下手な人間のサッカーノートにも、悪かったことが
たくさん書き込まれる。
例 「トラップミスが多かった。ドリブルの失敗が多かった。」

サッカーにおいて
できなかったこと。
失敗したこと。
うまくいかなかったこと。
それらを繰り返しノートに書く。

すると自分に自信をなくす。
書くことで、二倍の失敗を頭に刻むことになるから。

・正しい書き方
一番いいのは練習そのものの抜本的な改善だ。
だけどプロのサッカーレベルでさえ、成績の急上昇や
急下降(監督解任や助っ人の投入など)があるので
僕ら普通の一個人が安定してそれを望むのは
厳しいものがある。

その上で「目標、サッカーノートの書き方そのもの」の
ヒントを僕が示すと以下のようになる。

(1)日付、練習内容、試合結果などを書く。
マンネリに陥らないために「あの日こんな練習をしたなあ」と
思い返すことができるような、必要最低限のことを文字にして
記録する。
コーチや監督の指示、教えなども書いておくとよい。

同じように紅白戦(自分の所属チーム内での調整試合)や
練習試合、公式試合の先発メンバーや選手交代の詳細なども
役に立つなら紙に残しておこう。

(2)感想を書く
「今日の試合はチームの調子が良く、パスがよく通った」
「相手がオフサイドトラップを戦術に採用していたので、
最初は戸惑った」
など、あなたが普通に感じたこと、思ったことなどを記述する。
チーム全体のことでも、あなた個人のことでも大丈夫。

ここまでは普通の人でも、やっていることだろう。

(3)改善策を書く
「ドリブルを試合中に仕掛けたが、動きがギクシャクして
ほとんど相手守備選手に通用しなかった」
「だから、これから2週間自主的に個人練習で
1日左右10回ずつシザースフェイントを訓練する!」

このような感じで「今回の試合、練習で課題だったこと」と
「それを踏まえてのあなたなりの対策」を考えよう。

(4)検証する
いくらあなたが机の上で素晴らしい理論をひらめいたとしても
実際に実戦で通用しなければ意味はない。
特に最初のうちは「Aという対策を実行したけど、やはり
だめだった」
「ある程度は効いたんだけど、満足のいく結果ではない」
など、様々な新しい課題が出てくるだろう。

だから次の練習が来たら、また(1)(2)(3)を
書き出して考えることを続けよう。

もちろん柔軟性は大切だ。
「新しい筋トレをメニューに入れた。成果が現れるには
1か月か2週間以上かかる」
など、あなたの課題に応じた書き方の工夫は必要だろう。
機械的に練習記録をつけ続けるだけではあなたは上手にならない。

とてもハードな練習をしている選手は
「疲れてノートにペンを走らせる余裕すらない」
と感じることもあるだろう。

自分に合った書き方を見つけて欲しい。

no.3 光の使者になれ
・オイ!
僕はこの「オイ!」という言葉が大嫌いだった。
試合中、簡単なプレーを失敗する。
走りこんだ味方へのパスをカットされる。
すると必ず「オイ!」という罵声を浴びた。

僕のミスに対する失望。怒り。
下手な僕に対する非難。中傷。
そういったものが入り混じった、個人攻撃の言葉。
僕はその言葉を受けるのが、とても嫌だった。

・意味のない、無駄な言葉
その言葉を受けるたびに、僕はいつも
「悪いのは自分の方だ」と思っていた。
なぜなら、ミスをしたのは僕だから。
だからみんなに迷惑をかけないようにもっとうまくなろう。
そう自分に言い聞かせた。

でも彼らの指摘は正しいが、無意味だ。
今になってそう思える。
だってさ。その「オイ!」には具体性が欠けているでしょ?

例えば基本的なトラップをいつもミスする人間。
その人に向かって「おい!しっかりやれよ!」と怒った
ところで、その人のサッカーは上達しない。

その人がその日だけやる気のないプレーをしているんだったら、
分かる。怒って効果があるかもしれない。でも最初から
「この人はこのくらいの実力で、ほかの人よりもたくさんミスをする」
ということが分かっているのなら、その人にいくら罵声を
浴びせても急にサッカーがうまくなれるわけがない。
逆に自分に自信をなくし、おびえ、ミスがさらに多くなる。
弱気なプレーが増えてしまう。

他人のミスで失望し「オイ!」と言う人間。
彼らは意味のない無駄なことをしているんだ。

・前向きにサポートしよう
だから、僕たちはそんなことをしないようにしよう。
誰かがミスをしてボールを取られても文句ひとつ言わず
気持ちをスッパリと切り替えて、全力で守備を
するようにしよう。

もし下手な人間があなたのチームにいるのならば、
その人を前向きにサポートしよう。
いつもより早めにサポートに向かおう。
良いプレーをしたときにほめてあげよう。
的確な、具体的な指示を出そう。
「右へ出せ」「後ろ!」など。

そうすればその人はこれまでよりも前向きな気持ちで
プレーができる。結果としてミスも少なくなる。

・少しずつ変わっていく
とは言っても、最初は難しいだろう。
ふと気を抜くとこれまで通り「オイ!」と叫んでしまう
かもしれない。
でも意識的に繰り返すと、変わっていくよ。
誰かのミスに失望し、イライラしてしまうたびに
「しまった。今のはいけなかったな。
今度からはすぐに気持ちを切り替えよう」と
反省することを繰り返せば、少しずつ今の癖が消えていく。

チームに明るい前向きな雰囲気をもたらす
「光の使者」として
あなたも輝いてみよう。

no.4 走りをラクにする方法
・無駄な努力
「下りのエスカレーターを駆け上がる」
この本の中にこんな言葉がある。

ロバート・アレンの実践!億万長者入門

一生懸命駆け上がっても少ししか進めない。
少しでも立ち止まるとすぐに下に戻ってしまう。

だから「上りのエスカレーター」に乗りなさい。
何もしなくても継続的に収入が入ってくる仕事をしなさいと
この本は言っている。
(株式投資やアパートの大家さんなど)

走るということもこれと同じなんだ。

足を速くするために、一生懸命ウエイトトレーニングをする。
体力が落ちないように毎日走る。

だがどんなにがんばっていても、今あなたが乗っているのが
下りのエスカレーターならばそれは無駄な努力に終わる。

・一瞬で追い抜かれる
どうしてそんなことが言えるかというと、僕が体験したから。
歯を食いしばって努力した成果。
その何倍もの効果が短期間で達成されたんだ。

僕は以前「まじめ」な選手だった。
走りのトレーニングではいつも全力を出す。
定期試験の期間も勉強時間を減らして、毎日30分走る。
試験当日も!

だけど、あまり足が速くなった気はしなかった。
体力が「維持できている」と感じるくらいで。

そしてあるとき、一冊の本に出会う。
渋谷紀伊国屋書店のサッカーの棚で立ち読みをしているとき、
ふとある本を手に取った。
いつもは立ち読みで済ませているのだが、このときは
「この本を買うんだ!」という心の声が響いてきた。

その本は
サッカー日本代表が世界を制する日―ワールドクラスへの
フィジカル4条件

高岡英夫著 松井浩著 メディアファクトリー

「もも前の筋肉を使うと、プレーの質が落ちる」
「世界のトップ選手は、筋肉が柔らかい」
「センター(重心線)が通っている選手はバランスがいい」
これまでがむしゃらに走っていた僕にとって、衝撃的な内容だった。

そしてその続編である
ワールドクラスになるためのサッカートレーニング
この本のトレーニングを繰り返すと、すばらしい変化が起こった。
走るのがとてもラクになったんだ。

上半身が自然に起き上がり、無駄のない走りができるようになった。
その後チームメイトの走り方を観察すると、彼らが
「前傾姿勢になってつま先で走る、非常に
効率の悪い走り方」をしているように見え始めた。
きっと昔の僕も、あんな感じだったのだろう。

これまでの一生懸命な努力より、体の使い方を変えた方が
何倍もの効果があった。
しかも時間はわずか。苦しくもない。

・体の使い方を変える
この高岡英夫さんのように、「体の使い方」についての
本を書いている人はたくさんいる。

「初動負荷理論」で有名な
小山裕史さん。
代表著作 「奇跡」のトレーニング

「ナンバ」「古武術」ブームの始まりである
甲野善紀さん。
代表著作 「古の武術」に学ぶ

「火の呼吸」「クンダリニーヨーガ」を教えている
小山一夫さん
代表著作 スポーツ脳を鍛える

僕個人は高岡英夫さんと甲野善紀さんが好きだけれども
とにかくいろんな本を読んでみることをお勧めする。
そして、自分だけの理論を頭の中に作り上げよう。

注意 筋トレや、体の苦しさを完全に否定している訳ではありません。
詳しくはno.10 筋トレはするなで解説しますが、「何かに強く
集中して熱心に取り組む」ときの苦しさや辛さは
消えることはないでしょう。

no.5 生活習慣
・苦労の末作り上げた
僕はタフな方ではなかった。
厳しい練習をすると、すぐにふらふらになる。

歯を食いしばりながら自宅へ戻る。
夕食を教えて、机の前に座ると頭がボーっとして、やる気が出ない。
宿題を。明日の支度を。
やらなきゃいけないのは分かってるけど、体が動かない。

そのうちにふと、近くにあったマンガやゲームに手を伸ばす。
我に返ると、30分以上時間が経過している。
そして寝るのが遅くなる。

朝は疲れが抜けない。それでも無理をして起きる。
こんな悪循環が続いた。
そしてその成れの果ては、病気だ。

中学校一年生のときは、肺炎を発症した。
20日間近く38度以上の熱が出続けた。
高校二年生のときは、インフルエンザにかかった。
40度の熱が出て一週間寝込んだ。

僕はそんな、疲れがたまる「地獄の日々」を抜け出すため
2つのやり方を作り出した。

その一 ルーティン
※routine「決まりきった仕事、いつもやること」

持ち物リストって作ったことない?
「サッカーのとき必要な道具」を紙に書いておいて
壁に貼ったり、机に置いておくなどする。
そうすると忘れ物をしなくなるよね。

それと似たようなこと。
「夕食後から就寝まで何をするか」
「朝起きてから出発まで、何をするのか」
それらを紙に書いて整理しておこう。

例えばこんな感じだ。
・夕食
・日記
・明日の準備
・風呂
・歯磨き
・読書
・就寝

こうすると、生活習慣が安定する。
そしてこの「ルーティン」は、定期的に作り変えよう。
(参考文献 大リーグのメンタルトレーニング

その二 仮眠
疲れてふらふらなときときって、どうしてもマンガ・テレビなどに
逃げたくなるよね。
僕もそうだった。

「なぜマンガを読みたくなるのか」
僕はそう考えた。

その答えは、「疲れているから」。
自分で考えて行動するエネルギーがない。
だから何か「ストーリー」の流れに飲み込まれていたい。
そんな気持ちになる。

そこで対策として、もう寝てしまおう。
そして疲れが取れてから、やるべきことを始めよう。
でも本当に寝てしまうといけないから、いくつかの仕掛けをしよう。

仕掛け1 タイマー
3分~15分にタイマーをセットしてから眠ろう。
自分の疲れ具合を見ながら、休む時間は調節しよう。

仕掛け2 疑似ソファー
完全に横になってしまうと、深く寝入ってしまう。
だから、少し体を起こして眠ろう。

僕の場合は掛け布団を丸めてソファーのようにして
体が斜めになるようにしていた。

机の上にうつ伏せになってもよい。
ソファーで休むのもいいと思う。
また、布団を敷かずに畳の上で寝るのも僕はよくやっていた。
自分に合ったやり方を見つけよう。

・がんばるな
僕は「がむしゃらに努力すること」が大嫌いだ。

この「生活習慣」においても同じだ。
「疲れても誘惑に負けずにがんばれ」。
これほど無責任な言葉はない。
「下りのエスカレーター」である。

どうすればよい生活習慣を保てるのか考えよう。
「時間管理術」とかの本を読んでもいい。
現実を変えるための努力を続けよう。

自分の健康。
当たり前だけど、一番大事なことだ。
すばらしい技術。
恵まれた体力。
強い精神力。

こういった長所が「健康」に問題があると
一瞬にして消えてしまう。

no.6 間違いだらけの栄養理論
・持論の数々
僕はこれまで所属していたサッカーチームにて、多くの
「栄養理論」を教わった。

「試合前日には刺身を食べないように」(高校の顧問の先生)
「ジュースばっかり飲んでいると体力がなくなる」(中学校の体育の先生)
「食事は残さず食べろ!」(合宿の決まり文句)
当たり前だけど、こういったものには間違いが多い。

・ウソとホント
(ウソ1)「脂肪を摂りすぎるな」
太るから、というのが理由らしい。
鶏肉の皮を取り除け。
バターやマーガリンをパンに塗るな。
脂身の肉は食べるな。
こうアドバイスする人さえいる。

(答え)今太っていて困っている?
そうでないなら、気にしなくていい。
YESだという人も、体重、体脂肪率をどの程度まで下げるかを
考えてから食生活を変えよう。
太っていないならば、そのままの食生活を続けていい。

(ウソ2)「炭酸飲料、ジュースを飲むな」
「体に悪い」「歯が溶ける」「骨が弱くなる」なんて
言っている人がいる。

(答え)やる気が出なくなる
上に挙げたような俗説は全てウソ、迷信だ。
砂糖と水と二酸化炭素が主原料の飲み物には、決して有害な
ものは含まれていない。

僕が自分の体験から基づくマイナス面を挙げるとすれば
「大量に飲むと気分がだるくなる。やる気が出なくなる」
ということ。水代わりに大量にがぶ飲みするのだけは、
避けた方がいい。

(ウソ3)「筋トレのあとはプロテイン」
「トレーニングから30分以内にたんぱく質を摂りましょう」
「日本人の食事はたんぱく質が足りない」
こんな理由であることが多い。

(答え)意味がない
たんぱく質というのは摂取から何時間かたたないと吸収されない。
一番速い「ペプチド」でさえ30分かかると書いてある。

トレーニング直後にプロテインを飲んだってそれは「自己満足」。
どうしても飲みたいならトレーニング前に飲もう。

でも、プロテインパウダーで取れるたんぱく質は20g程度。
あくまで「3食の食事がほぼ取れている」人の補助手段という
位置づけがベストだ。

(ウソ4)食事は残さず食べろ!(合宿時に)
疲れて食事が喉を通らずにいる生徒たちに向かって
コーチ、先生がニヤニヤしながら言う、この一言。

(答え)休むのが一番
「食事を取れないほど疲れている」というのは、あまり
いい状況ではない。
そんなときはじっくりと休み、体調を回復させた方がよい。
食べ物が食えないのなら無理をせず、横になって休もう。そして
「お腹が空いた。何か食べたい」と感じたときに初めて、
何かを食べ始めよう。
「無理をしてでも、体に食べ物を流し込む」というのは悪いこと
だよ。止めた方がいい。

※この文脈で言う「疲れ」というのは原因がはっきりしている
疲れ(合宿でのランニングなど)を指します。
原因不明の疲労が長期に続いている場合は医師などに一度相談
してください。

○効果のあるもの「夏にB、冬にC」
僕が高校時代実際にやってみて最も効果が高かったもの。
それは「ビタミン」だ。

ビタミンB群は「疲労回復。糖分脂肪分の吸収を高める」。
サプリメントを飲み始めると、「夏バテ」をしなくなった。
疲労の回復も早くなったと思う。

ビタミンCは「免疫機能を高める」。
毎日欠かさず飲んだ冬。
僕は一度も風邪をひかなかった。

もちろん
僕に効果があったからといってみんなに当てはまるとは限らない。
1ヶ月程度実験して、効果があるなら続けよう。

・体験的手法を
この世の中には、三種類の栄養理論がある。

一つ目は「迷信的栄養理論」。
自分が信じている根拠のない理論を押し付け、
自己満足にひたるためのもの。
(例)刺身を食べるな 脂肪を取るな

二つ目は「科学的栄養理論」。
科学的なデータから「○○がいい」と宣伝するもの。
実践的に無理があるものや、商売のために「ねじまげた」
ものが多いのが事実。
(例)プロテインをとれ 鉄分をとれ

三つ目は「体験的栄養理論」。
自分で確かめてみて、効果があったものだけを使う。
自分自身に限り、効果が高い。
(例)自分で試して効果があった○○を飲み続ける

この3つのうち、どれが効率がいいと思う?
僕は3つ目だと思うけど、どうだろうか。

no.7 80%の力で走れ
・まじめな生徒
僕は中・高のサッカー部ではまじめな生徒だった。
走りはいつも全力で走る。
つらくても一生懸命がんばる。
そんな努力の結果、チーム内でトップクラスの持久力を
持つことができたと思う。

でも試合では全く活躍できなかった。
疲れてくるとボールをコントロールすることで精一杯。
僕よりも走りが遅い友人たちの方が、明らかに活躍していた。
いいプレーをしていた。

なぜいいプレーができなかったのか。
それは僕が走りを「がんばっていたこと」にある。

・最悪の癖
体を限界まで追い込んだときって、どうなる?
とても苦しいよね。
息がぜいぜいする。
体が熱くてたまらない。
足がとても痛い。
何かを考える余裕なんてない。
走ることに全てをつぎ込む。

実は、これがいけないんだ。
「全力で走ること」を繰り返すと、恐ろしい癖がつく。
それは
「疲れてくると判断が悪くなる」という癖だ。

サッカーの試合で、体が疲れてくる。
息が切れて苦しくなる。
そうすると、「走り」のときの経験が甦る。
―「頭の回転」を犠牲にしてでも走れ!―
動き回ることで一生懸命。
判断の質が落ち、ミスが増える。
無意識のうちに、あなたはそんな道をとる。

これを当たり前だと思うかもしれない。
でもこれは「くせ」なんだ。
そう考える人はすでに、最悪の癖がついている。

・80%の力で走れ
僕がお勧めするのは、いつも80%、8割の力で走ること。
そして息苦しくても常に周りの景色や他人に気を配る。

自分を保てるスピードで走る、って言った方がいいのかな。
つまり、こういうことだよ。
「ウォー!」「このやろー!」って気持ちで走るのではなく
「嫌だな」「苦しいな」って思いで走るのでもなく
「あ、スーツの男の人が来たな」
「曲がり角に人がいないかな」ってことに注意を向けながら
走るんだよ。
全力のときよりも多少スピードを落として、その余力を
「周囲に気を配る」ことに向ける。

そんな癖をつければ、疲れても判断能力は落ちない。
後半の一番疲れた時間でもボールコントロールとDFの判断は、
常に高いレベルを保つことができるはずだ。
多少見かけの体力は落ちるけど。

最後に、こんな質問をしよう。
この二種類のプレーヤーだったら、どちらになりたい?

プレーヤーA:
友達やコーチから「あいつは走りをがんばってるな」と思われる。
しかし試合で疲れてくると判断が落ちる。

プレーヤーB:
友達やコーチから「あいつはサボってるんじゃないか」と思われる。
しかし試合では最後までいいプレーをし続ける。

追記 鈴木啓太やネドヴェドのような「走り回ることが武器のMF」の場合
普段のランニングをがんばるのは問題ありません。

注意 ダッシュ(短距離走)と筋力トレーニングの練習は全力で
やってください。

no.8 Simple is not always best
・ボールを持つな!
「Simple is best」(シンプルイズベスト、単純が一番だ)
サッカーではよくこんな言い方をされる。

1、2タッチでボールをテンポよく回すこと。
ボールを持ち過ぎないこと。
これが美徳とされている。

僕自身ドリブルが好きだったから、よく怒られた。
「ボールを持つな!」
「単純にいこうよ!」
僕がドリブルを始めようとするたびに周囲から
そんな声が聞こえてくるので、ものすごくやりにくかった。

でも本当に「単純が一番」なのだろうか。

・迫力がない
シンプルにプレーするのは、とても簡単だ。
ボールを受けたときに、パスの選択肢の中から
誰かにパスを出すことだけを考えればいいのだから。

しかし「簡単」なのは相手も同じ。

想像してみよう。
相手の選手が、ボールを持っている。
ボールを受けても、簡単にはたくだけ。

DFとしては、これほど楽な仕事はない。
目の前の相手の動きだけに注意すればいいのだから。

シンプルなプレーは、成功率が高い。
しかし、迫力がない。
だから「相手にボールを取られたくない」という目的の
「弱気なサッカー」にとても適している。
(俗称 ポゼッションサッカー)

・脅威
では相手が脅威を感じるものって、何だろうか。

答えは、型破りの攻撃。
オーバーラップ、ドリブル、ポジションチェンジ。
想像してみてごらん。

自分のマークにきちんとついているとき、後ろから
余っていた相手DFが全速力で駆け上がってくる。
こちらもそれに対応しないといけない。
体力的にとても苦しい。
しかし無視すると決定的なピンチになる。

そして、ドリブル。
マークがぴったりと合った、チームとして最高のDF。
そのとき、相手がフェイントを入れて味方の一人を
抜き去った。
とたんに数的不利になり、守備が大混乱に陥る。
ボールを持つ相手に誰が当たりに行くの?
でもそうしたらFWのマークが外れる!
一瞬の迷いが失点につながる、危険な状態になる。
つまり、相手にとってのビッグチャンス。

さらに、ポジションチェンジ。
FWがくさびのボールを受けるため、中盤まで下がってくる。
DFもそれについていく。
そのとき、MFがFWと入れ違いに、ぽっかりと空いた
そのスペースに走り込む。
ここにボールが入れば、大きなチャンスだ。

このような攻撃ができるのなら楽しいと思わない?

これができるようになるには、二つの道がある。

一つ目は、仲間とのコミュニケーション。
自分がどんな動きをするのか。
誰がカバーに入るのか。
味方にどんな動きをして欲しいのか。
そういったことを話し合おう。

二つ目は、プレースタイル。
次に紹介する「プレースタイルの構築法」を使って
それがうまい選手のプレーをコピーしよう。
すると無意識のうちにそんな動きができるようになる。

「Simple is not always best. シンプルイズノットオウウェイズベスト。
単純が常に美徳とは限らない」、これが新しい原則だ。

役に立つ本 サッカー勝利への技術・戦術

no.9 プレースタイルの構築法
新しいポジションにコンバートされて動き方が分からない。
もっと動き出しのセンスを高めたい。

こういったものを解決する、単純で効果的な方法がある。
それは「コピー」。
他の選手の動きを真似ることだ。

☆準備
自分と同じポジションの人で、目標とする人物を決める。
日本人でも、外国の人でもいい。

そしてその人の試合を見る。
「スーパープレイ集」は、ダメ。
ボールを持っていない時の動きを身につけるのが
目的だから。
必ず90分の試合にすること。

スタジアムで選手を観察するのもよいが、僕はここでは
「映像(動画、DVDやブルーレイ)」を使うことを例にして
話を進める。
もちろん外付けハードディスクに録画した日本代表の試合でも
いいし、古いビデオ(戦術が時代遅れである可能性は残るが)
でもOKだ。

☆やり方
その人の動きだけに集中しながら、試合を見る。
関係ない場面は映像を早送りしてもいい。

彼がボールに関係するプレーをしたら、
すぐに自分に当てはめてイメージ上で再現する。
(テレビを一時停止し、目を閉じて頭の中でサッカーの
プレーを思い描く)

例えばボランチの選手を例に取ると

サイドバックからパスをもらい、ターンして
逆サイドのMFへパスをもらう。
そして相手ゴールの方向へ走り出す。

FWにくさびのボールが入る。
そこへサポートに行き、ボールを受ける。
そのボールを相手陣内へ浮き球で蹴り込む。
もう一人のFWへ向かって。

テレビの前で体を動かしながらやってもいい。
このような動作をTVの選手を真似て行うんだ。

・体が勝手に動く
この練習を続けると「体が勝手に動く」。
そんな経験をする。

例えばあなたが攻撃的サイドバックなら。
最高のタイミングでライン際を駆け上がることができる。
味方からスルーパスを受け取れる。

あなたがフォワードなら。
多彩な「ボールを受ける前の動き」を習得することができる。
抜群のタイミングで裏へ飛び出す。
コーナーの方向へ斜めに走る。
ウェーブの動きをして足元にスペースを作る。
バリエーションが増えるだろう。

あなたがボランチなら。
どんな風に守備をすればいいかが体で感じられる。
ボールに寄せるのか。センター付近でスペースを守るのか。
攻撃に加わるのか。味方のカバーリングをするのか。
その判断が上達する。

no.10 筋トレはするな
・無駄な筋トレ
「腕立て伏せ30回。腹筋20回。背筋20回を3セット」
これが定番メニューだった。

中学校のサッカー部で雨が降る。
すると必ずと言っていいほどこれをやった。
僕は身長が低く、体の線も細いタイプだ。
そのためこのメニューはものすごくきつかった。
歯を食いしばっても、全部を完璧にやることができない。
どうしてもサボらざるをえない。
他人の目を盗んで楽をしようとした。

そしてそれから3日間くらい筋肉痛が出る。
朝、体を起こすことさえ苦しかった。

しかし日が経つにつれ、筋肉痛は消える。
雨が降らない限り、筋トレはしないから
筋肉は衰えていく…。

また高校では、もっと本格的にやった。
僕が在籍したK高校にはトレーニングルームがあった。
バーベルやマシンがそろっていた。
2年生のとき、筋トレを始めた。
ベンチプレス。
背筋運動。
スクワット。
腹筋運動。

筋トレ直後に食事を取れるように、昼休みにやった。
2日に一度のペースで、超回復をしっかり計算した。

その努力のかいあって、かなり筋力がついた。
最初は20kg(シャフトだけ)を10回やるともう
限界になってしまったのに、
ベンチプレスは37.5kgまで負荷を上げられた。
体に筋肉がついた気がした。

でも、サッカーはうまくなった気がしない。
筋トレを始める前と、筋力の全盛期だった頃。
その2つを冷静に比較してみると、サッカーのうまさ自体は
ほとんど変化は見られなかった。

・目標を持て
なぜ成果が出なかったのか。
今ならその原因が分かる。
それは、目標がはっきりしていなかったからだ。

前述の僕の中学校の例は、分かりやすいよね。
あれの目的は、ただの時間つぶし。

雨が降った。
グラウンドが使えない。
キャプテンがコーチのところへ相談に行く。
「今日は何をすればいいんですか?」
コーチは練習メニューを考えるのが面倒だから
「お決まりのメニュー」をやれと指示を出す。
「サッカーがうまくなるため」ではなく
「何もすることがないから」という理由で
「時間つぶし」という目的のトレーニングを開始する。
こんな目的で始めたトレーニングを繰り返しても
決してサッカーはうまくならない。

高校の例も同じ。
あれの目的は「自己満足」。
一生懸命がんばれば、うまくなれる。
苦しんだ分だけ力がつく。
そんな根拠のない思い込みだ。

「一生懸命がんばれ。そうすればいつか報われる」
僕が出会ったコーチたちは皆そう言っていたが
僕は報われなかった。
決してサッカーの実力は高まらなかった。

・ではどうするのか
だから僕がアドバイスをしたいのは
「はっきりとした目標を持て」ということだ。

「○○が上達するためにこの筋肉を鍛える」
そんな目的意識をはっきりと持とう。
「ロングスローを身につけたいから、腹筋と背筋を鍛える」
「俺はキーパーだからダイビングの衝撃を和らげるため、
上半身を強くする」
こんな感じだ。

だが、絶対に立てて欲しくない目標が4つある。
それは
1.ただなんとなく
2.キックを強くするため
3.スピードをつけるため
4.パワーをつけるため、競り合いに強くなるため
この4つだ。
一つずつ説明しよう。

1.ただなんとなく
何の目的もなく筋トレをしても、何の役にも立たない。
当たり前のことだが、これを考えない人が多い。

「毎日自宅で腹筋20回やってます」という中学生。
友達とつるんでペンチプレスやってる高校生。
トレーニングジムのマシンで筋トレに励む社会人。

そんなことをしても、サッカーはうまくならないよ。
これについては
どうすればうまくなれる?」のページに書いたので
ここでは詳しく触れない。

2.キックを強くするため
これは僕の体験がベースとなっている。
no.4の中で、僕はこの本を紹介したよね。
ワールドクラスになるためのサッカートレーニング
僕はこの本のトレーニングを何ヶ月かやり続けた。

そしてある日の自主練習で、友達とロングキックを蹴った。
そのとき、その本の内容を意識してみた。
「体をやわらかく」
「もも裏を使おう」
「腸腰筋を意識しよう」
すると、50mくらいボールが飛んだ!

全く筋トレをしていないのに、飛距離が20mくらい伸びた。

だから、こう断言しよう。
「キックの飛距離を伸ばすための筋トレは不要」
それよりも、フォームを整えよう。
一ヶ月で効果が出始める。

3.スピードをつけるため
これも同じ。
筋肉の使い方を変えるだけで、段違いに伸びる。

それまでの僕は、スピードが無かった。
一生懸命ダッシュの練習もやったけれども、いつも足の遅さで
他人に迷惑をかけていた。でも
その「ワールドクラスになるためのサッカートレーニング
という本に出会ってからは、迷惑をかけない程度の平均的な
スピードを身につけることができた。足が遅くて嫌な思いをする
ことはほとんどなくなった。

「たくさんダッシュ練習を繰り返す」ことよりも
「走るフォームを良くする」こと。こちらの方が効率がいい。

4.パワーをつけるため、競り合いに強くなるため
中田英寿は筋トレの成果で、競り負けない肉体を手に入れた。
有名なエピソードだ。
だからといって、君もそれを真似する必要はない。

なぜなら、それはプレースタイルの問題だから。

中田はボールを「キープする」タイプだ。
タメを作り、味方が上がってこれる時間を作る。
直線的なドリブルも得意。
だから、筋力が必要だった。

マラドーナも、そんな例の一人だ。
彼はものすごい肉体を持っていた。
でもそれは、彼の「強引なドリブル」という
プレースタイルのためだ。
それを最大限活かすために、肉体を鍛えた。
後ろを向いた状態でボールを受けたときのように、
マークを力で振りほどき前へ進む必要があった。

みんなの場合は筋トレをする前に、この質問をして欲しい。
「いま、当たりの弱さで困っているだろうか?」

答えがNOなら、やらないこと。

YESの人には、もう一つ質問。
「判断のスピードを高めることで、それは改善できるか?」
ボールをワンタッチ、ツータッチで回せるだけの
判断能力の高さを身につけられたなら、その問題点を
解決できない?

YESなら、判断能力を高めよう。
ウエイトトレーニングなんてする前に。

NOならば、まず「タックルのスキル(技術)」を身につけよう。
相手がチャージに来る前に、ショルダータックルをかける。
できない人、多いんじゃない?
身につけるには(no.9 プレースタイルの構築法)を使おう。

そしてそれができるようになってから初めて「筋トレ」に入ろう。
「ショルダータックルで相手を吹き飛ばせる肉体を手に入れる」
「楔(くさび)のボールを体を張って受けられる当たりの強さを身につける」
こんなはっきりとした目標を持って。

・自分を知るのは自分
スポーツショップへ行くと、プロテインが並んでいる。
隣の友達を見ると、がっしりとしたいい体だ。
ウイダーのチラシを見ると、「筋トレは大切です」と
書かれている。
(隣にはプロテインの宣伝が!)

でもそういったものは、無視して構わない。

もし筋トレを重ねたとしたら。
その未来を思い浮かべてみて、「うまくなれる」と
自分が確信できるときに始めよう。

自分の頭で考えた結論を大事にしよう。
あなたのプレースタイルを一番良く知っているのは
あなた自身だよ。
広告ではない。
コーチでもない。

2020年 追記 長友佑都選手について
長友は体幹トレーニングをやって成果を出しました。
質の高いトレーナー(フィジカルトレーニング監修者)
に巡り会えたのでしょう。

僕はここでは「ずさんで無計画なトレーニング」そのものを
否定しているのであり、継続的な専門家からの
良質なサポートを受けている人は問題ありません。

no.11 人とは違う道を進め
・スター選手の不思議
小野伸二選手(以下、敬称略)は18歳にして、日本代表に選出される。
そしてフランスワールドカップに出場を果たす。

阿部勇樹、稲本潤一は17歳で
Jリーグの試合に出場。
森本貴幸は16歳で東京ヴェルディの試合に出た。

そして、中田英寿。
彼は98ワールドカップ予選ではわずか20歳で
チームの司令塔へとのし上がった。

みんなすごいよね。
でも、ここで素朴な疑問が浮かぶ。
ほかの選手たちはいったいどうしたのだろう。
彼らより何年も多くプロの世界で活躍してきたのに、
どうして追い抜かれてしまったのだろう。

・練習してもうまくならない
みんなも経験したことがあるよね。
年下のうまいやつに、レギュラーを取られる。
「どうしてこんなに練習したのに抜かれるんだ!」
と理不尽な気持ちになる。

僕の出身のK高校では入学して2日で
100人以上の上級生を抜いて
Aチームへと上がった人もいた。

この原因はもちろん、「才能」。
サッカーセンスとでも言うのかな。
下手な奴とは、何かが違う。
僕自身、これでとても悔しい思いをした。
そしてこの差は、どんなに練習しても縮まらなかった。

・どうせだめなら
だからあきらめろ、というわけじゃない。
「彼らとは違う道を取れ」と言いたいんだ。

想像してごらん。
これから一年後。二年後。最後の大会のとき。
今のように練習を続けたら、彼らを追い抜けるだろうか?
「行ける!」という実感があるだろうか?

追い抜けそうだったら、このままで構わない。
でも実感がしないんだったら、上に行ける気がしないのなら。
暴れてみよう。
人と違う道を選んで、それに賭けてみよう。

どうせこのままだったら、上には行けないんだ。

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